こんにちは、ケイセイです。
このブログでは、現役ネットワークエンジニアが資格や転職について発信しています。
・なぜ「SESやめとけ」「SESやめたい」と言われるのでしょうか
・SES勤務を続けた場合の将来性は?
・現状を変えるにはにはどうすればいいでしょうか
以上のような、疑問を解決します。
巷ではよく聞く「SESやめとけ」「SESやめたい」という言葉ですが、なぜそう言われているか気になったことはありませんか。
この言葉を聞くたびに「SESにこのままいていいのか」、「現状を変える術はないのか」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
私は過去に5年間SESで働いた後に自社勤務のSIerに転職をしたのですが、今と昔を比較してみてよりSESの劣悪さを実感することが出来ました。
SESを抜け出した今だからこそ実感出来たSESの劣悪な環境や、SES勤務の将来性、さらに現状を変えるにはどうすればいいのかを記事にしたのでぜひご覧ください。
・現在、SES勤務で将来に不安がある方
・SES勤務という現状を変えたいを思っている方
・SES企業に転職を考えている方
- この記事を書いた人
「SESやめとけ」「SESやめたい」と言われる理由
このように言われる理由としては、SESの劣悪な環境というのが背景にあります。そりゃあ、劣悪な環境と分かっていれば人にも勧めないし、やめて転職したいって誰しもが思いますもんね。
では具体的にSESのどういったところが劣悪で、「SESやめとけ」「SESやめたい」を言われてしまっているのか私が味わった実体験を基に解説していきます。
1.スキルアップ出来るかどうかは運要素が大きい
まず、SESの案件に参画するまでの流れは、
1.営業から案件を紹介される
2.客先面談に合格し参画
というのが基本だと思うのですが、どの案件を紹介されるかは結構運要素が高いんですよね。いわゆる「案件ガチャ」ってやつです。
いくら実機で構築練習をしたり資格を取得してアピールしてみても、運が悪ければロースキルの案件しか紹介されないケースが多いです。
実際に私も、構築練習や資格を取得したりしてアピールの方を行っていましたが、会社がスキルアップが見込める案件を扱っていないという理由から「監視オペレーター」や「ひたすらコマンドをコピペ入力する作業員」みたいなロースキル案件しか紹介されなかったという苦い記憶があります。案件ガチャが外れまくっていました。
しかもロースキル案件に参画してしまったら、以下みたいに負のループにはまってしまい一段とスキルアップが見込めない状況に追い込まれてしまうケースが多いです。
実際にこのループから抜け出せずに40代で監視オペレーターしか経験がない方も何人か見てきました。このようなケースは割とあり、SESでスキルアップをしていくのは運要素が大きいのでかなり難しいです。
2.給料が安い
SESの給料はIT業界の中だとけっこう低めです。
SIerの平社員が500万円以上普通にもらえる中で、SESの平社員は300~500万円ほどで、役職がついても500~600万円くらいと水準が低くなっています。
なぜこんなにも安いのかというと、会社が客先から支払われる単価の半分以上をピンハネしてしまっているからです。
例えば、客先から支払われる単価が60万円でピンハネ率が50%だとします。そうすると、SESエンジニアが実際に貰える月々の給料は30万円にまで下がってしまいます。
SESの平均ピンハネ率は40~50%くらいなので、ほとんどのSESでこのような搾取が行われている状況になります。
自分が頑張って働いたのに会社に半分近くピンハネされてしまったら、モチベーションも上がらないですよね。。。
ちなみに私もSESでの最後の現場では単価65万円で働いていたのですが、月々の給料は25万円だけでした。半分以上ピンハネされていました(泣)
3.周りの人間のモチベーションが低いため流される
私だけかもしれませんが、SES時代の同僚の多くはモチベーションが低いように感じました。
業務に必要なことを勉強しなかったり、資格取得を全く行わなかったり、自身のキャリアについて何も考えたりしてない人が多かったです。
このような環境で過ごしていると、
「周りの人も何もやってないから自分もやらなくていいや」
みたいにどんどん流されしまいます。一度流されてしまうとスキルアップも出来ずに時間だけが過ぎてしまいます。
偉そうに言っていますが、こういう私も監視オペレーター時代には周りに流されていました。やっぱり自分が資格勉強などをしているときに、周りが楽しくやっているのを見ていると羨ましくなってしまうんですよね。
私はここで1年何もせずに過ごした後にこのままではいけないを思い、何とか努力の方を続けSESから転職することが出来ました。今ではあの時頑張って努力してよかったなと心から思っています。ただ、周りが何もしていない中一人だけで努力するのかかなりきつかったです。
4.客先のプロパーとの間に差を感じる
客先で派遣的なポジションで働いているといやでもプロパーとの差を感じてしまうんですよね。例えば、ストラップの色で区別されたり、プロパーが休みの日に働かされたり、派遣だけテレワーク出来なかったりといろいろな面で感じていました。
その中でも待遇面にはかなり差を感じました。私と同年代にも関わらず100万円以上貰っているんですから驚きますよね。
客先常駐というスタイルで働くとなると、日々プロパーとの差を感じながら働かなくてはならないのでかなり消耗してしまいます。
実際に私の知り合いでも、プロパーとの待遇面に絶望してIT業界から転職してしまった人もいました。
5.一緒に働いていない上司に評価されるため、正当に評価されない
SESにも一応年に1回か2回くらい評価面談があるのですが、これがまた謎なんです。
だって一緒の現場にいない上司に評価されるんですから、どうやって評価するんだって話ですよね。上司の方も一緒に働いていない部下の評価をしなくてはならないから困ってしまいます。
困った上司はどうするかというとそう「なんとなく」で評価をしてしまいます。仕事が出来る出来ないに関わらず「なんとなく」で評価してしまうのです。
こうなると仕事が出来て客先からも高い評価を受けている方は割を食ってしまいます。折角頑張って高い評価を貰ったのに、自社で正当に評価されないのですからモチベーションも下がってしまいます。
嘘のような話ですが、SESだと割とよくあります。私の周りでも仕事が出来るにも関わらず、いい評価を受けていない方は何人もいました。
6.生産性のない自社の活動に参加させられる
SESは月1回くらいのペースで定例会を行っています。これがまた厄介で私が勤めていた会社は実施日が土曜日かつ、強制参加(休むと欠勤扱いになる)というとんでもないものになっていました。
しかもこの定例会の内容というのが、経営層のよく分からない話を延々と聞かされた後に、チーム毎に集まってディスカッションという名の雑談をダラダラするといった生産性のかけらもないものになっていました。
まだ平日に集まって2時間くらいでやるなら分かるのですが、貴重な休みの土曜日まるまる使って開催する意味は分からないですよね。これやるくらいなら勉強会を開いてみんながスキルアップ出来る機会でも設けてあげたらいいのにといつも思っていました。
私の会社はこんな感じでしたが、もっとひどい会社だと月2回で帰社日があり、その度に飲み会に参加させられるなんてこともあるようです。しかも飲み会参加費は自腹だそうです。とんでもないですね。。。
SES勤務を続けたらどうなる?
ここでは私がSESで5年間働いた中で出会った、SES歴10年以上の方たちの特徴を紹介していきます。SES勤務を続けている方は以下の2タイプに分かれているように感じました。
高スキルで仕事も出来るがあえて残っているタイプ
この方たちは高スキルで仕事もすごく出来ます。頭の回転は速いし、調整能力も高いし、スキルアップにも貪欲でした。
実際、私もこのタイプの方何人かと一緒に仕事をさせていただいたのですが、いろいろと教えていただきすごくお世話になっていました。
でも、一緒に働いているとこんな風に気になってくるんですよね。「何でこんな優秀なのにSESに残り続けているんだろう。」と。その方たちは、明らかに元請けのSIerの方よりも仕事が出来ており、エンドユーザーからも頼りにされていたので転職しても通用するのは誰が見ても明らかでした。
そこで私はそれとなく残り続ける理由について聞いてみました。そう聞くと大体の方が、「今の働き方が合ってるから」「SESだと気楽だから」とおっしゃっていました。
この方たちのようにSESの働き方が気に入ってるから残り続けているというタイプも一定数存在します。
ロースキルで今の会社にしがみつくしかないタイプ
スキルアップが出来ず、ロースキル案件を転々としている方たちです。SESで仕事をしていると結構見かけます。
この方達はとにかくIT技術に興味がなく、自己努力も全くしないのが特徴です。仕事は普通にこなしてて、人当たりも悪くはないのですが絶望的にIT技術に興味ないんですよね。「IPアドレス?なにそれ?」みたいな感じで。
業務経歴も「監視オペレーターしか経験してません」や「定型業務しか経験してません」みたいな方が多かったです。
こういう方は大体「転職できるスキルもないので今の会社にしがみつくしかない」とおっしゃっていました。
この方達のように負のループにハマって抜け出せず、会社にしがみつくしかないタイプも存在します。私の体感だとこちらのタイプの方が多い気がしました。
SESってこういったケースが割と頻繁にあるんですよね。気づいたら自分もなっていた。。。みたいにならないよう気を付けてください。
現状を変えるには?
転職するのが手っ取り早いです。。。と言いたいところですが、まずはスキルアップをしない限りはいい企業へ転職できる可能性が低くなってしまいます。
私も最初に転職活動をした時はスキルが低かったため、優良企業は書類選考すら通らなかったです。結局内定を貰えたのはSES2社のみで給料も少ししか上がりませんでした。
2社目のSESで運よく設計構築の案件に参画出来ため、2回目の転職活動はある程度スキルを持った状態で臨むことが出来ました。そのおかげか優良企業の書類選考通過率も50%を超え、最終的には大手含む3社のSIerに内定を貰うことが出来ました。
私の経験からも分かるように「スキル」はIT業界でキャリアアップしていくには最も重要な要素なのです。
ということで、「スキルが無くて転職できないよ」という方はスキルアップを最優先に取り組んだ後で優良企業への転職を狙うことをおすすめします。
ここからはスキルアップにおすすめの方法を一つずつ紹介していきます。
資格取得やハンズオンでの学習
こちらについては誰でも気軽に始めることが出来ます。資格だったら、Cisco、LinuC、awsだったり、ハンズオンでは実機を購入してもいいですし仮想エミュレータもおすすめです。
ただ、始めるハードルが低い分ほかの人もやってる可能性は高いです。そこで私は、差別化するために資格については1つ難しめの資格を取得することをおすすめします。
難しめの資格を取得することで得られる知識は大きいですし、今後転職するとなったときには確実に役に立ってくれます。面接官は「資格を取得するほどのやる気」と「資格を取得できるだけの能力」という点であなたを評価してくれるでしょう。
資格の勉強方法や仮想エミュレータでのハンズオンの始め方については以下にまとめているので興味のある方はご覧ください。
今の会社でスキルアップが可能な案件に変更してもらう
ダメ元でもいいので上司か営業にでも相談してみてください。運が良ければ変更してくれる可能性があります。
ここで変更してもらえたならスキルアップしてSES以外に転職のルートも見えてきます。
もし断られたら今の会社には見切りを着け、心置きなく次のステップに進みましょう。
派遣エンジニアとして働く
この方法はかなりいいんじゃないかなと思いました。私も今SES時代に戻るのであれば、この方法を迷わず選択するでしょう。
メリットとしては「案件ガチャ」を回さなくてよくなります。自分で参画したい案件を選べるようになるため、営業からロースキル案件しか紹介されず泣く泣く参画みたいな悲劇とはおさらばできます。
また、給料も派遣エンジニアの方がいいので現状の給料に不満がある方にもおすすめ出来ます。
私だったら派遣で設計構築をやらせてもらえるような案件に参画し、2~3年ほど経験を積んだ後、優良企業に転職みたい流れがよさそうに思いました。
SESのメリット
SESののメリットについては別記事にまとめているので興味のある方はご覧ください。
SESの退職方法
SESの退職方法は別記事にまとめているので興味のある方はご覧ください。
SESの年収
SESエンジニアのリアルな年収は別記事にまとめているので興味のある方はご覧ください。
まとめ
この記事のまとめです。
・「SESやめとけ」「SESやめたい」と言われる理由について解説
・SES勤務を続けたら大体2タイプの人間に分かれていく
・現状を変えるには自己努力や派遣エンジニアが有用
最後までお読みいただきありがとうございました。
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